2017年4月20日木曜日

豆を持って島にゲッチョが来た

ゲッチョが島にやってきた。アダンのことについて聞きたいことがあるという。島の北西部に、アダンニーという地名の場所がある。昔、人々はここにタムヌ(薪)を取りに行っていた。薪が豊富にはない池間島では、アダンバ(アダンの葉)やアダンツー(アダンの実)が大事な燃料だった。
 昔はアダナス(アダンの気根)でロープを作り、フダミ(海専用のサンダル)やアンディラ(網袋)にしていた。アダナスは海水にも強い。勤おじぃが最近作ったものを見せてくれた。ンナ(サザエ)やタク(タコ)も入れることができる。今では自分で縄をつくってアンディラを編む人はほとんどいない。
 アダンのことを中心に、主に80~90代のおじぃおばぁたちから話を聞いた。アダンの利用は、琉球弧の島々で共通することも多いが、異なるところもある。そこがおもしろい。
ところで、これはゲッチョが持ってきた豆。最近行った久高島からという。
「この豆、島で見たことある」と私が言うと、さっそく見に行こうということになった。藪に入り豆を探すゲッチョ。
 おんなじ豆だ!とゲッチョ。
この豆、フジマメという。食用で栽培されていたが、例えばサヤインゲンほど美味とか柔らかいとかいうこともなく、だんだんわざわざ栽培されなくなっていて、現在は空き地で野生化していっているという。久高島でゲッチョが見つけて取ってきたのも、野生化していたものという。この夜、採取した豆はサヤごと切って炒め物にして食べた。おいしかった。

この豆、他でも見たことあるかも・・
 写真を探してみると。あ、おんなじ豆だと、ゲッチョ。
 白いマークが同じ。
すりおろしたキャッサバと混ぜて。
 豆がたくさん取れたときは、つくったあの料理。
 すりおろしたキャッサバに豆をふんだんに混ぜたタネを粽にする。「タケも大好きだったのよね~」とセイエかあさん。
 ナトゥパ・カモニ・ピヨコ。
バヌアツのフツナ島で、豆の名前はカモニ kamoni。沖縄の島々で野生化しているフジマメと同じ豆でした。
 ナトゥパ・カモニ・ピヨコは、みんなに人気の料理。子どもたちは、学校の帰りにカモニを取ってきて、自分たちでフライパンで煎っておやつに食べたりもしていた。
フツナ島でも食べていた豆、フジマメ。フジマメに注目していたゲッチョ先生のおかげで豆のことがひとつわかりました。

こちらは島のお昼ごはん。最近旬のハマグリ(イソハマグリ)ごはん。西表島でも浜で採取できる小さな貝。小さいけど味が濃い。炊きあがったところに刻んだウイキョウやヨモギとモズクが混ぜてあります。料理上手のゆかりさんの春の新作。また大潮がやって来るから、ゆかりさんは気合満々だ。ちなみに、ゆかりさんは『ぎょぶる4号宮古島特集』にも登場する、採集名人です。

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